不動産登記で「国籍の申告」が義務化へ
2026年10月開始|対象・必要書類・注意点をわかりやすく解説
2026年10月5日から、不動産の名義変更(所有権移転登記)において 「国籍等の申告」が義務化されます。
これは、2026年3月31日に公布された
「不動産登記規則の改正(法務省令第23号)」によるものです。
「国籍って登記に関係あるの?」
「日本人でも必要?」
と疑問に思う方も多いと思います。
今回の改正は、今後の不動産取引や相続手続きに影響する重要な変更です。
この記事では、
- 何が変わるのか
- 誰が対象になるのか
- 必要な書類
- 手続きへの影響
を、初めての方にもわかりやすく解説します。
何が変わる?国籍等の申告が必須に
これまでの不動産登記では、 所有者に関する情報については
- 氏名
- 住所
が必須で、国籍は記載事項に含まれていませんでした。
しかし今後は、
所有権の登記をする人は「国籍等」を申告する必要があります。
対象となる登記
以下のような場面となります。
- 不動産を購入したとき(売買)
- 相続で不動産を取得したとき
- 贈与を受けたとき
つまり
「新しく所有者になる人」すべてが対象です
外国人だけでなく、日本人も必ず申告が必要になります。 制度の実効性を確保するためです。
なぜこの制度ができたのか
背景には2つの目的があります。
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①外国人による不動産所有の実態を把握するため
近年、外国人による不動産取得が増加したことで、その実態を把握する必要性が高まりました。
現在の不動産登記簿の記載事項は氏名と住所のみとなっており、国籍は含まれていません。 このため現行の制度では日本国内在住の外国籍の不動産所有者を把握することはほぼ不可能でした。
国土交通省は2025年現在、登記情報から
- 所有者内における海外在住者の比率
- 取得後1年以内に転売された「投機目的と考えられる短期売買」の比率
などの調査を進めています。
結果は
- 東京都内の新築マンションにおける海外在住者の取得率:3.0%
- 取得後1年以内の短期売買:8.5%
と発表されています。
投機目的での短期売買は価格高騰を招きやすいために国交省も問題視しており、こういった取引の把握を容易にする狙いもあります。
外国人を含む投機目的での取得者がマンションの価格高騰につながっている可能性が指摘されていることから、不動産取引に関連するデータは一層の高精度を求められています。
またこの現状を踏まえて、国は安全保障の観点からも 国家的な機密や安全に関わるような施設に隣接する土地が、どの国の個人や法人によって所有されているのかを把握する必要性がある と考えるようになりました。
加えて2024年4月に開始された「相続登記の義務化」を実効性のあるものにするという目的があります。
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②相続手続きをスムーズにするため
財産の所在や当事者の国籍・居住地が複数にまたがる相続のことを国際相続と呼びます。
日本国内での相続はどの国の法律を使うか(≒準拠法)が被相続人の国籍で決まる とされています。
日本では国際相続において、法の適用に関する通則法第36条で
「相続は、被相続人の本国法による」という規定があります。そのため、国際相続が発生すると、日本国内であっても被相続人の国籍がある国の法律が適用されます。
例えば、被相続人が日本国籍であれば、もし当人が海外に住んでいたり相続人が外国籍の場合であっても、その者が被相続人となる相続については日本法が適用されるため、相続人の範囲や相続財産の範囲についての問題は日本法によって定まることになります。
対して被相続人が外国籍を有している場合には、被相続人の本国法によることになるため、日本法は適用されないことになります。
つまり、事前に被相続人の国籍が分かっていれば、
- 手続きの判断が早くなる
- 相続登記がスムーズになる
というメリットがあります。
また空き家問題への対策として、所有者が海外在住で連絡が取れないといったケースに対応しやすくするため、国籍や国内の連絡先を把握する目的もあります。
プライバシーは大丈夫?
ここは気になるポイントです
国籍情報は、一般の人が見る登記簿/第三者が閲覧できる登記事項証明書(登記簿謄本)ではなく「検索用情報管理ファイル」という登記所内部のシステムにのみ記録されて管理されます。
つまり、
外部の第三者から閲覧されることはありません。
手続きの流れ(2026年10月以降)
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STEP① 登記申請書の作成
住所・氏名など、従来の手続きに必要だった情報に加えて
「国籍等」を記載します。 -
STEP② 証明書類の準備
それぞれのケースで異なるため、早めの準備が必要です。
日本人の場合
日本国内に在住
- 本人確認書類:パスポートや運転免許証、マイナンバーカード等の中から1つ
- 住民票の写し
- 印鑑証明書と実印
海外に在住
国籍証明が必要となるため、現地の日本大使館や領事館で取得する
- 在留証明書」(住民票の代わり)
- 「署名証明書」(印鑑証明書の代わり)
外国人の場合
日本国内に在住(中長期在留)
- 住民票
- 印鑑証明書
海外に在住(もしくは日本国内の短期在留者)
- 駐日領事館、本国又は居住国の行政機関、公証役場等で作成された宣誓供述書およびパスポートのコピー(住民票の代わり)
- 国又は居住国の住民票に相当する書類(住民票の代わり)
- 署名(サイン)を認証した宣誓供述書(印鑑証明書の代わり)
- 自国の印鑑証明書
-
STEP③ 登記申請
必要な書類を提出後、登記官が確認し、 国籍等の情報は「検索用情報管理ファイル」という登記所内部のシステムにのみ記録されます。
注意点
添付書類はオンライン提出できない
電子申請を行った場合でも、 国籍の証明書などの各種添付書類は電子化の対象外のため、郵送か窓口での提出が必要です。
海外在住者も対象
今回の改正で、
日本に住所がなくても対象
になりました。
準備に時間が必要
特に外国人や海外在住者が関係する場合
- 大使館や領事館での書類の取得
- 翻訳
などがあるため、すぐに手続きをするのは難しくなります。
手続きへの影響
すべてが完了するまで時間がかかる
- 確認事項が増えるため、登記完了までの日数が延びる可能性があります。
不動産取引への影響
- 特に注意すべきは外国人が関わる売買
- 契約前から登記に必要な書類が揃っているかを確認する必要があります。
すでに不動産を所有している場合はどうすればいい?
現時点で所有している方
すぐに手続きは不要です。
ただし、将来の相続に備えて任意で申告することも可能です。
今後のスケジュール
- 2026年3月31日 公布
- 2026年10月5日 施行
※2026年は他にも
- 住所変更登記の義務化
など大きな改正が続いています
よくある質問(要点まとめ)
- ■ 日本人も手続きが必要?
→必要です - ■ 登記簿に国籍は載る?
→載りません - ■ 手続きを行わないとどうなる?
→登記できない可能性あり - ■ 海外在住でも手続きできる?
→可能です
まとめ
- 2026年10月から国籍等の申告が義務化
- 日本人も含め全員対象
- 登記簿には載らない(内部管理)
- 書類準備が重要
重要ポイント
「登記の手続きが一段階増える」イメージです。
ご相談は司法書士へ
今回の改正により、不動産登記はさらに専門性が高くなっています。
- 外国人が関わる不動産取引
- 海外在住の相続人がいる
これらのケースは特に注意が必要となります。
- 必要書類が分からない
- スケジュールが不安
- 外国人・海外在住者が関わる
といった場合は、早めの対応が重要です。
当事務所では、
- 不動産売買の登記
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